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そして困るのはいつも兄貴なのです。
「なんでお前が飯作るといつもハンバーグとかシチューになるんだ?」
刹那の料理は煮込み系が多い。
「なんか、問題あるのか」
「ないけどさ」
お子様味覚なのかと思ったのだ。彼が作ると、肉は細切れ、野菜はくたくたに煮る等あまり食材の原型を留めていない。
「シチューは、煮汁も無駄なく食べれるだろ」
なるほど、合理的な考えで作ってるわけか。この分だと芯の部分までl細かく刻んで使っていそうだ。
呑気に食べながら考えていたのだか、次に飛び出た発言で吹っ飛んでしまった。
「それに」
「あ?」
「ぐちゃぐちゃにして混ぜれば、元の肉がどんなだったか気にならないし」
さらっと言われた言葉にスプーンを持つ手が凍りつく。ぎぎいっと首を刹那の方に向けた。
「これは、なんの、お肉ですか…?」
いや、これはいつもの肉団子だ!そう思いながらもひょっとしたらという疑念が捨てきれない。
人間、普通に美味いと思っていたものが想像を絶する原料だと知ったとき程衝撃は大きいのだ。
「冷凍庫に入ってたガチガチの豚肉とか。緊急時でもないのに、蛇とかネズミの肉なんて入れるわけないだろ」
心外だと言いたげに眉を潜める。しかしこちらの心は安らげない。
(緊急時だったらそういうの混ぜて食っちゃうんだ…)
勿論そういう食材を普段から食べたりしないのは解った。でも困ったときには躊躇いなく、賞味期限が少々怪しい肉と同じくらいの感覚で使ってしまうのだろうということも解ってしまった。
物心ついてから戦士だった人は耐性が違うなーと思いました。
ああ聞くんじゃなかった。聞かなければこれからも、ちょっと塩味濃いなー程度の感想で食べていられただろうに。
これって変な原料の風味を消す意図があったんですね。
とりあえず、これからは調理前の食材を必ず確認しようと固く誓ったのだった。