こちらは二次創作を含みます。
当方腐女子につきご注意。
現在ガンダムOOの感想、小説をメインにしています。
リンクは気が向いたらお知らせ下さい。
無断転載禁止です。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ロク刹短文
OKな人は続きからどうぞ
OKな人は続きからどうぞ
「死ぬな」
思いつめた顔で刹那が言った。
突然の事に唖然とする。
「なんだよいきなり。心配しなくてもおにいさんはそう簡単には死なないって」
わざとおどけて言ってみても彼の表情は緩まない。
一体どうしたのだろう。死ぬの死なないのを気にかけるのはそれこそ今更だろうに。
「俺は…あんたの神を知らない。死んでしまったら魂の安らぎを祈る事すらできないんだ」
堪らなくなって彼を抱きしめた。びくりと身体を震わせたが、ほんの少しずつ身体の力を抜いていく。
他人に触れられることに慣れないその仕草に涙が滲んだ。
この細い身体で、ずっと一人で立っていたのか。そうやって子供のくせに顔だけ大人みたいに強張らせて。
不安になる。張り詰めた幼い精神は、切れる寸前の糸のような物ではないかと。僅かでもひびが入ったら砕けてしまうのではないのか。
この子供に暴力ではなく、銃を握らせるのではなく、愛情を持って抱きしめる腕があったなら。
……やめよう、それはもう通り過ぎた過去だ。俺は刹那の心が凍りつく瞬間に戻って助けることはできないのだ。
「俺はもう、なにも失わない。…あの時とは違うんだ」
己に言い聞かせるように刹那が呟く。俺の触れられない過去が苛んでいるのだろうか。
ならば彼の今を守ろう。もう何も失わせたりはしない。
この命を失いたくないと思ってくれる、不器用に心を傾けてくれることを誇りに思おう。
汚れた俺に価値を見い出してくれた事に感謝する。僅かでも自分の心を救ってくれるのは神でなく、この子供なのだ。
どうか、どうか神よ。
この幼い魂を救いたまえ。
PR
この記事にコメントする